気候変動は、食と水を支える条件を変え始めている

コラム
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1.変わり始めた季節

気候変動は、もはや未来の問題ではなくなってきている。
大阪管区気象台は6月4日、近畿地方が梅雨入りしたとみられると発表した。今年の梅雨入りは平年並みだ。しかし、気象庁の3か月予報では、近畿地方の平均気温は向こう3か月で平年より高い確率が70%と予測されている。

近年、多くの人が季節の変化を実感していることだろう。
梅雨末期の集中豪雨。
長期間にわたる猛暑。
夜になっても下がらない気温。
気象庁は、高温化の進行だけでなく、極端な高温や大雨の増加、降雪量の減少などを指摘している。
かつて「異常気象」と呼ばれていたものが、少しずつ新しい日常になりつつある。

2.変わるのは天候だけではない

だが、変わっているのは天候だけではない。
昨年は米不足や価格高騰が話題となった。各地では高温による農作物への影響も報告されている。
問題は、単に雨が減ったり、増えたりすることではない。
短時間に大量の雨が降る一方で、降らない期間が長くなる。高温は農作物の品質や収量に影響を与える。豪雨は農地や生産基盤に被害をもたらす。
気象庁は「日本の気候変動2025」で、平均気温の上昇だけでなく、極端な高温や大雨の発生頻度の増加、降雪の減少などを指摘している。

水も同じだ。
大阪の水源である琵琶湖では、過去にたびたび渇水が発生してきた。冬季の降雪量が減れば、春から夏にかけて流れ込む水の量にも影響する。水温上昇や水質変化も懸念されている。
気候の変化は、食べ物や水を支える条件そのものに影響を与え始めている。

3.都市を支えていた当たり前という「日常」

私たちは普段、スーパーに並ぶ食料や、蛇口から出る水を当たり前のものとして受け取っている。
しかし、その背後には大きな循環がある。
冬の雪。
山林。
河川。
琵琶湖。
浄水場。

あるいは、
農地。
生産者。
種。
技術。
流通。

食と水は、多くの人や自然環境によって支えられている。これまで私たちは、その仕組みが大きく変わらないことを前提に暮らしてきた。
だが、気候変動は、その前提そのものを変え始めている。
変わりつつある天候が、危機の本質ではない。
気候変動によって変わってきたのは、都市を支えてきた条件だと思う。

4.大阪は何を支えられるのか

大阪は巨大な都市である。しかし、食料の多くは都市の外に依存している。
大阪の水道は、琵琶湖・淀川水系によって支えられている。
私たちはこれまで、それらを当たり前のものとして受け取ってきた。だが、高温化や豪雨、降雪減少が進むなかで、その条件は少しずつ変わり始めている。
これから問われるのは、気候変動が起きるかどうかではない。変化する気候を前提に、何を守り、何を残し、何を支えるのか。
食料は。
農地は。
水は。
そして、都市は何を自ら支えられるのだろうか。

シリーズ「食・農・地域――都市は何を自ら支えられるのか」では、食と水を支える条件について考えていく。
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