万博閉幕から夢洲IRカジノ、万博跡地開発へ

チャレンジ市民×行政
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シリーズ・チャレンジ市民×行政

山田 明[名古屋市立大学名誉教授]

  万博開幕から1年、閉幕から半年になる。半年間の「夢洲万博」は閉幕したが、万博はまだ終わっていない。海外パビリオンの下請け業者への未払い問題がまだ解決していないからだ。万博のような大規模プロジェクトを評価するには、各段階ごとに多面的に検証しなくてはならない。とりわけ時間軸と空間軸(会場)からの検証が大切である。万博会場が大阪湾の人工島・夢洲になったことが決定的であり、これが時間軸にも影響して、「夢洲リスク」をもたらした。こうした夢洲万博特有のリスク、IRカジノ建設との関係、万博財政などについて、数多くの陳情書を提出し、都市経済委員会や建設港湾委員会を傍聴してきた。万博特別委員会での検証作業を求めたが、特別委員会は早々と解散した。

現在、夢洲では万博パビリオンの撤去作業が進められている。その隣に巨大クレーンが立ち並び、IRカジノの本格工事が実施されている。夢洲は引きつづき騒がしいが、夢洲開発計画も動き出しつつある。3月議会に向け、夢洲開発関係の陳情書2件を提出した。一つは大阪IRカジノ用地の賃料、土地課題対策などについて説明を求めるものだ。2月議会の都市経済委員会で、私の陳情書審査が行われた。IR推進局長はカジノ施設だけで2万3000㎡、三層構造でエレベーターにより接続、エントランスは8ヶ所、カジノ施設は目立たないようにしていると見解表明。建築計画概要書に記載されているように、Iカジノ施設は高さ126m、地上27階建ての「MGM大阪」の中に入る。3月議会に向けた陳情で、カジノ施設の詳細な配置や情報開示を求めたが、曖昧な説明に終始した。

夢洲IRカジノ区域は複数の建築物が並び、地下鉄夢洲駅に近接する位置にある。それにもかかわらず、カジノ業者募集の際に設定された賃料は1㎡当たり428円と格安だ。複数の鑑定業者による不動産評価が、IRカジノ施設や夢洲駅を前提としないで鑑定されたからだ。現在の状況に合わせて、賃料を改定すべきでないかと陳情したが、適正な賃料だと一蹴された。液状化など土地課題対策についても、IR用地だけ大阪市が負担することも問題にしたが、IRカジノ用地だけ「特別」という見解だった。

もう一つは夢洲第2期区域マスタープランVer3.0(案)の策定方針などについて説明を求める陳情書である。夢洲第2期区域は万博跡地であり、その開発計画についても昨年から何度も陳情してきた。2月12日開催の副首都本部会議で「Ver3.0案作成方針」が示されたが、疑問も多く説明を求めた。マスタープラン案の議論では、これまで「万博レガシーの継承」として、万博のシンボルだった大屋根リングの利活用が議論されてきた。今回の作成方針では、万博記念館と記念公園が新たに提示された。とりわけ記念館は初めて提案されたが、その経過がなんとも分かりにくい。大阪市会の都市経済委員会や建設港湾委員会でも、大阪市として、どこまで決まっているのか、議会無視ではないかと批判の声が上がっていた。それで陳情項目の一つは、Ver3.0案作成方針には「大阪市が記念館を新設して運営と書かれているが、大阪府・大阪市が提案したのか。記念館については、議会に諮らず提案したと考えてよいか説明を求める」とした。都市計画局長は経済界と合意して、今回初めて議会に提案したと見解表明。夢洲開発についても、議会軽視の大阪市の姿勢を示すものだ。

夢洲第2期区域、万博跡地はIRカジノ用地とは異なり、賃貸ではなく売却とされている。決算委員会などでも、なぜ売却なのか、これで万博レガシーがきちんと継承できるのか、などの議論があった。私も陳情で確認したが、これまでと同様の通り一遍の見解であった。万博跡地開発はVer3.0案パブリックコメントを経て、事業者募集を行う。IRカジノ住民訴訟にも影響する問題であり、夢洲開発の行方をしっかりチェックしていきたい。
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