枚方リデザイン 第1回

再開発問題進化する自治 vision50
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枚方の都市核をどう再定義するか──一極集中か、多極連結か、それとも再編か

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枚方市駅前再開発をめぐる議論は、
これまで「是か非か」「移転か否か」に集中してきた。

しかし、私たちはまだ一度も、
もっと根本的な問いを正面から扱っていない。

それは――

枚方の都市核は、どこにあるべきか。

再開発とは、建物を建てることではない。
都市の重心を再設定する行為である。

重心を決めずに再開発を進めれば、
必ず迷走する。
それは過去シリーズで見てきたとおりである。

ここからは、批判ではなく設計である。
まずは枚方の都市構造を、冷静に再整理する。

枚方は「多極分散型」のまま縮小期に入っている

枚方の都市構造は、大きく4つの核で成り立っている。

  • 枚方市駅(交通+商業)
  • 市役所周辺(行政+公共)
  • 樟葉(大規模商業核)
  • 長尾(JR沿線住宅核)

高度成長期であれば、多極は豊かさの象徴だった。

しかし人口減少期において、多極はコスト増大の構造になる。

  • 公共投資が分散する
  • 維持費が増える
  • 中心性が弱まる
  • 市民の帰属意識が分裂する

いまの枚方は、
「どこも中心で、どこも中心でない」
という状態にある。

このままでは、再開発をしても重心は生まれない。

都市核には3つのモデルがある

ここで、枚方が選び得る都市核モデルを、あえて整理する。

① 駅前集中型モデル

枚方市駅を唯一の都市核とし、

  • 行政機能を集約
  • 公共施設を統合
  • 歩行者中心の空間再設計
  • コンパクトシティ志向

メリット:

  • 中心が明確になる
  • 公共交通と整合する
  • 人口減少期に合理的

リスク:

  • 他エリアの衰退感
  • 用地制約
  • 大胆な再編が必要

② 多極連結型モデル

いまの構造を活かし、

  • 駅前=商業核
  • 市役所周辺=行政核
  • 樟葉=広域商業核
  • JR沿線=住宅核

を明確に役割分担する。

歩行・交通・情報で“連結”する。

メリット:

  • 急激な変化を避けられる
  • 既存資産を活かせる

リスク:

  • 中心性が弱いまま
  • 再開発の効果が薄まる

③ 行政核再強化型モデル

市役所周辺を“シビックコア”として再強化する。

  • 旧市民会館との統合
  • 行政・文化の一体化
  • 駅前は商業に特化

メリット:

  • 行政機能の明確化
  • 用地確保が比較的容易

リスク:

  • 駅前再生と切り離される
  • 分断構造が固定化する

重要なのは「どれが正しいか」ではない

この3モデルに絶対解はない。

重要なのは、

枚方はどの方向を選ぶのか
そして、何を諦めるのか

を明示することだ。

人口減少時代において、
すべてを維持するという選択肢は存在しない。

選択とは、同時に放棄である。

その覚悟が示されない限り、
どんな再開発も市民の納得を得られない。

枚方に本当に必要なのは「つなぐ設計」

私自身は、単純な一極集中でも、多極放置でもない、

「連結型シビックコア」

が現実的だと考えている。

具体的には、

  • 枚方市駅から市役所周辺までを
    歩行優先の都市軸で縫合する
  • 旧市民会館エリアを公共文化拠点として再設計する
  • 商業再生と公共機能を空間的に結び直す
  • 大規模床ではなく、機能再編で密度を上げる

移転か否かの前に、
まず“つなぐ設計”をする。

都市の問題は、建物の問題ではなく、関係性の問題だからである。

なぜこの議論が、いま必要なのか

いま枚方で進んでいる再開発議論は、
手法から始まっている。

タワーマンション。
市有地売却。
条例制定。

しかし順序は逆である。

本来は、

  1. 都市核を定義する
  2. 空間構造を設計する
  3. その上で手法を選ぶ

でなければならない。

この順序を戻すことこそ、
“枚方リデザイン”の第一歩である。

まとめ

枚方が直面している問題は、
再開発の是非ではない。

都市核を再定義していないことである。

一極集中か。
多極連結か。
行政核再強化か。

どれを選んでもよい。
だが、選ばなければならない。

次回、第2回では、
この「連結型シビックコア」を具体的な空間設計として考えていきたい。

<山口 達也>

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