ルールをつくるルールがない!

コラム
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民主主義とは、多数決のことだと思われがちである。しかし本当に重要なのは、多数決を行う前の「ルールづくり」である。

私は学生時代、そのことを身をもって経験したことを今日のコラムとしたい。

ルールを学生が作る民主的な校風

通っていた学校はかなり民主的な校風だった。校内合唱コンクールの採点方法ですら、生徒たちが話し合い、ルールを決めることができた。

当時、私はクラスでの合唱の代表を務めていた。

当然ながら、自分のクラスに少しでも有利な採点基準を考える。どの項目を重視するのか、どのような配点にするのか。表向きは公平な議論であっても、参加者それぞれが自分たちに有利な制度設計を模索するのは自然なことである。

結果として、私のクラスは決して歌が上手いとは言えなかったにもかかわらず、銅賞を獲得した。

表彰の瞬間、多くの生徒が「ええ?なんで?」という反応を示していたことを今でも覚えている。
ルールも配点も考え方も全部学校コンクール委員会で話し合って決めた、にもかかわらず、違和感を持った人たちが過半数は超えていたのではないだろうか。

その時に学んだことがある。

勝敗のある物事を決める際に、勝敗の決まり方を考えた人間の影響が大きいということである。

選挙制度を決めている議会というしくみ

これは学校行事だけの話ではない。

政治も同じである。

選挙では有権者が投票し、その結果によって議員や首長が選ばれる。しかし、その前段階として「どのような選挙制度を採用するのか」という問題が存在する。

そして、この選挙制度こそが民主主義の土台となる。

現在の大阪府議会や大阪市議会では、「身を切る改革」や「日本一スリムな議会」が掲げられている。

議員定数削減や選挙区再編は、一見すると効率化のように見える。しかし同時に考えなければならないのは、それによってどのような民意が議会から消えていくのかという点である。

小選挙区的な制度や定数削減が進むと、当選者以外に投じられた票は議席に結びつかない。

いわゆる「死票」である。

制度によって違いはあるが、選挙によっては有権者の半数近い票が議席に反映されないこともある。

その結果として、多数派が実際の得票率以上の議席を獲得し、議会の中で圧倒的な力を持つことになる。

もちろん、それ自体は現行制度に基づく合法的な結果である。

勝者がルールを決めるというルール

しかし、ここで一つの疑問が生じる。

その制度は誰が決めたのか。

多くの場合、選挙制度を変更するのは議会であり、その議会を支配しているのは現政権である。

つまり現在のルールで勝った側が、次のルールも決めることができるのである。

これはよく考えれば、非常に危うい構造だ。

野球の試合で言えば、勝っているチームが試合途中でルールを変更できるようなものである。

形式的には民主的手続きを踏んでいる。

議会で議論し、採決し、法的手続きを経て制度が決定される。

しかし、その結果として特定の勢力が有利になり続ける仕組みが形成されれば、それは本当に民主主義と言えるのだろうか。

ucoでは繰り返し話しているが、民主主義は単なる多数決ではない。

少数意見にも議席を与え、多様な考え方が議会に存在することで、初めて健全に機能する。
多数派が常に勝つことと、多様な民意が反映されることは同じではない。
むしろ民主主義の本質は、異なる立場の人々が同じテーブルにつき、議論を続けることにある。

だからこそ、選挙制度は政権与党が多数決で決めるべきではない。

少なくとも第三者機関による検証や、超党派による合意形成の仕組みが必要ではないだろうか。

選挙制度ルールを作るルールと組織が不可欠

どの選挙制度にも長所と短所がある。完全な制度は存在しない。

しかし重要なのは、制度そのものが特定の勢力に有利になるよう設計されていないかを常に検証することである。
民主主義を守るためには、選挙を行うだけでは足りない。

その選挙のルールを誰が決めるのか。
そして、そのルールが公平であるかを誰が監視するのか。
本当に問われているのはそこなのである。

民主主義の危機とは、選挙がなくなることではない。
選挙が続いているにもかかわらず、ルールそのものが権力者によって固定化されていくことである。

だから私たちは、誰が勝ったのかだけではなく、どのようなルールで勝ったのかにも目を向ける必要がある。

残念ながら、今の大阪は、知事・市長・府議会・市議会の全てが一つの党で独占されている状態だ。さらに、この体制を疑問を掲げるマスコミはゼロであり、未だ身を切る改革、スリムな議会が、もてはやされている状態である。

一党独裁によるスピード感に酔っている場合ではない。

眼の前で民主主義が壊されていく現状をなんとしても変えていく必要がある。

<山口 達也>

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