ミニ・パブリックスというもう一つの市民代表会議

コラム
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二元代表制を補うもう一つの自治の選択

  • 参加者を無作為抽出で選ぶ
  • 1グループ5人のグループ討議(通常5グループ)
  • 事前に事業内容や現状、課題などの情報提供を行う
  • 全参加者で投票を行う
  • 結果を市民答申として公表する
  • 参加者に謝礼を支払う

地域住民の「縮図」から導き出す民意

1.目的	熟議プロセスが行われる目的が、明確にタスクとして整理されており、現実の公共的問題と結びついていること。また、質問等の形をとりながら中立的であること。
2.説明責任	熟議プロセスが公共的意思決定に影響を与えることもあり、主催する当局が提言にタイムリーに対応することを約すべきである。また、定期的に提言の実施状況などを説明する必要がある。
3.透明性	熟議プロセスの開始は、事前に公とし、すべての資料や記録、提言は適時、公開されるべきであること。提言に関する当局の対応と評価も公開されるべきであること。
4.代表性	参加者が、無作為抽出によって一般市民の縮図となる構成となっていること。参加の機会は誰にでも平等に与えられること。
5.包括性	参加率の低いグループを参加させる工夫が施されていること。必要に応じ報酬や経費、託児や介護の費用を適切に提供すること。
6.情報提供	参加者が、幅広いエビデンスや専門的な情報にアクセスできること。関係する専門家や、テーマに対する賛成・反対双方の立場のひとから話を聞き、質問できる機会を設けること。
7.グループ討議	参加者が慎重かつ積極的にグループメンバーの話を聞き、複数の視点から評価や検討を行うことで、共通の基盤を築きながら、提言をつくることができる環境を整えること。
8.時間	参加者が、複雑な政策課題を理解することができるように、十分な時間を確保すること。少なくとも丸4日間の対面でのセッションを行うこと。セッションごとの間に、個人学習と思慮のための時間を確保すること。
9.誠実性	熟議プロセスが、当局から独立したチームによって運営されること。
10.プライバシー	参加者が、メディアからの過度な注目や利益団体からのロビー活動を受けることなく、独立して活動できるようプライバシーの保護に配慮すること。
11.評価	熟議プロセスの評価にあたっては、参加者による無記名で意見を得るべきであること。最終的な成果と提言の影響に基づいて評価すべきであること。
「熟議プロセス成功の原則」書評「世界でひろがる「ミニ・パブリックス」とは?OECD本から読み解く!」にから引用 https://publicaffairs.jp/minipublics-3/

「代表制民主主義はなぜ失敗したのか」藤井達夫 著(東京医科歯科大学教授)(集英社新書)2021年11月
https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1094-a/

「くじ引き民主主義」吉田徹 著(同志社大学教授)(光文社新書)2021年11月
https://books.kobunsha.com/book/b10125069.html

「あなたも当たるかもしれない、「くじ引き民主主義」の時代へ 「自分ごと化会議」のすすめ」伊藤伸 著(政策シンクタンク構想日本の総括ディレクター )(朝陽会)2021年12月
https://www.gov-book.or.jp/book/detail.php?product_id=369105

「気候民主主義 次世代の政治の動かし方」 三上 直之 著(名古屋大学教授) (岩波書店)2022年5月
https://www.iwanami.co.jp/book/b605137.html

「世界に学ぶミニ・パブリックス くじ引きと熟議による民主主義のつくりかた」
OECD(経済協力開発機構)Open Government Unit 著 日本ミニ・パブリックス研究フォーラム訳
(学芸出版社)2023年5月
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761528522/

「月刊誌『都市問題』2024年01月号 特集1 : ミニ・パブリックス――その現在地と可能性」(公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所)2023年12月
https://www.timr.or.jp/cgi-bin/toshi_db.cgi?mode=kangou&ymd=2024.01

「市民ワークショップは行政を変えたのか ミニ・パブリックスの実践と教訓」長野 基 著(勁草書房)2024年08月
https://www.keisoshobo.co.jp/book/b650465.html


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