家庭から始める小さな一歩=エネルギー自給.

エネルギー地産化、地域化コラム
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エネルギー問題、他人事ではない

「電気代がまた上がった」「災害で停電が不安だ」――。誰しもが一度は感じたことのあるエネルギーへの不安。だが、そこで終わってしまえば、次の世代にツケを回すだけである。エネルギー自給というと、大きな投資や専門技術をイメージするかもしれないが、実は家庭でも小さな実践が積み重ねられる。そして、それが地域全体のレジリエンスを高める土台になるのである。

太陽光パネル? いや、その前にできること

「よし、太陽光だ!」と意気込む前に、まず足元を見直してみたい。家庭の消費電力は、意外と“無駄”に支えられている。エアコンのつけっぱなし、待機電力、断熱の甘さ。

エネルギー自給の第一歩は、「作る」よりも「使い方を見直す」ことにある。

家庭の“エネルギー漏れ”を探せ

例えば冷蔵庫。ドアパッキンが甘くなっていないか、詰め込みすぎて冷却効率が落ちていないか。あるいは照明。LED化は済んでいるか。冬の暖房は、窓からの冷気をどれだけブロックできているか。こうした「エネルギーの漏れ」をふさぐことが、自給以前の前提となる。自治体によっては、省エネ診断を無料でしてくれるサービスもある。利用しない手はない。

「減らす」は最大の発電

エネルギー自給というと「発電」や「蓄電」に意識が向きがちだが、実は「使わない工夫」こそが最大の発電手段とも言える。例えば、昼間はなるべく自然光で過ごす、電子レンジを使う頻度を減らす、料理の際は一度に作り置きするなど、家事の効率化と省エネは両立できる。これらの小技を積み重ねれば、月々の電力使用量が1〜2割減ることも珍しくない。

低コストでも始められる自給の工夫

本格的な太陽光発電は難しくとも、ベランダに置ける小型パネルや、災害用の蓄電池を応用したUSB給電設備なら数万円で導入できる。ノートパソコンやスマートフォン程度の電力であれば、晴れた日にしっかり賄える。さらに、ソーラークッカーやロケットストーブといった「アナログ再生エネルギー」も注目されている。太陽光でご飯が炊ければ、停電中でもアウトドア気分で楽しめる。

近所の“電気仲間”とつながる

一人での自給には限界がある。だからこそ、近所で同じ問題意識を持つ人たちとつながることが鍵となる。エネルギー自給をテーマにした勉強会や、手作りソーラーキットのワークショップなど、交流の場は意外と存在する。誰かの実践が自分のヒントになり、自分の工夫が誰かを助ける――そんな連鎖が地域の底力を生む。

自給とは、技術よりも態度である

エネルギー自給とは、単に電気を自分で作ることではない。「どう使うか」「どこから得るか」を意識する日々の態度こそが本質である。それは節電や発電の知識よりも、自分の暮らしに対する責任感に根ざす。そしてこの責任感が、まち全体の未来を支える礎になる。さあ、今日からひとつだけでも始めてみよう。「家の明かりをひとつ消す」それだけでも、立派な第一歩である。エネルギーの自給は難しくない。家庭から始める、小さな一歩が未来を変える。それがスタートラインだ。

UCOでは地域のエネルギー問題を深堀りしていきます。

<山口 達也>

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