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大阪IRカジノ「区域整備計画」の問題点とカジノ反対署名70,000筆超の民意

2022年2月10日、令和4年2・3月大阪市会が開会となりました。本市会では、IRカジノ誘致に関する整備計画案の審議と決議が予定されています。土壌改良費の第1期790億円をはじめ、IRカジノ予定地である夢洲の開発整備に1500億円以上の公費が投入されようとしていることの是非も審議されます。

このような重要案件が山積しているにもかかわらず、市民への説明会(「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」(案)に関する説明会)は1月31日を最後に4回を残したまま中止とされました。行政としての説明責任を果たしていないばかりか、カジノ実施法参議院附帯決議にある「公聴会等の開催や情報開示を通じ、住民の合意形成に努めた」とはとても言えません。

市会の開会では、夢洲の開発整備費用の巨額投入について、市民に諮るべきだとして、自民市議団から「大阪市におけるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致についての住民投票に関する条例案」が議案として出されました。しかし、委員会に付託はされず、本会議で、維新、公明の反対により否決されました。また、この住民投票条例提案の動きを知った市民による、住民投票を求める内容を含む陳情が約100件提出されていましたが、これについても審査不要と審査さえされませんでした。

この日午前11時より、大阪市役所記者室において、カジノに反対する団体懇談会による、「大阪IR「区域整備計画」の問題点」を訴求する記者会見が行われました。
[記者会見配布資料は末尾に掲載]

冒頭、桜田照雄(阪南大学教授)は、松井市長がIRカジノ用地の賃貸に当たり、土壌汚染と液状化対策の整備費用第1期として790億円を大阪市が負担することを指摘。従来、咲洲や舞洲の土地売買・賃貸に際して大阪市は「瑕疵担保責任」を負わなかったにもかかわらず、IRカジノ用地については「瑕疵担保責任」を負うとした。土壌汚染については、2006年の土壌対策法制定以前の20年間に、種類や濃度基準のない様々な有害物質を含む浚渫土砂や建設残土が捨てられてきていることから、汚染の程度をはかることができないといいます。
また、事業者となる「大阪IR株式会社」に融資するとされている、三井住友銀行と三菱UFJ銀行のグローバル銀行としての市政について言及。この2行が、ポルノやギャンブルといった産業に対して融資を控えるべきとした国連責任銀行原則に署名している点を挙げ、この2行に対し質問状を送っているが、期限までに回答がなく、「黙殺している」と不遜な態度であることを語りました。

次に中野雅司(大阪を知り・考える市民の会)氏も、土壌改良を行う土地取引に対して言及。民間で、永続的に土壌改良が発生するような契約はしないと明言。松井市長の発言は市民に対して無責任であり、改めて市民の意見を聞くべきだとしました。
また計画案で、展示場の延べ床面積が当初の10万㎡から5分の1の2万㎡になっており、これで果たして統合リゾートと言えるのか、看板に偽りありだとしました。こうした拒否の投入により、市のあらゆる予算の使い方が抑制的になっていくことを憂慮し。大阪府市として、新産業基盤への返還と新しい産業支援こそ必要で、そうしたことに予算が当てられるのか、と疑問を呈しました。

最後に藤永延代氏からは、まず夢洲がまだ現在も埋立を行っている処分場であり、一部がまだ海であることを強調。夢洲1区のを急速に埋め立てるため、土の購入、ドレーン工事などでかかった費用が約860億円にも上るといいます。また、夢洲のIRカジノ用地とするため、新たな処分場が必要になり、新島の利用にかかる費用が市の算出によると、182億円。今後ごみ処分の有料化が言われるかもとしれないと、カジノ誘致が生活に直結していることが指摘されました。


署名を提出する市民

同日の13時からは、カジノに反対する団体懇談会をはじめとする多くの市民団体や個人が取り組んできた大阪府知事・大阪市長への「賭博(とばく)場・カジノ誘致計画の中止・撤回を求める要請書」署名が大阪府市IR推進局に対して提出されました。
署名数は、71,028筆。大阪府市はこの市民の声を真摯に受け止め、2月・3月議会での議決を進めるのではなく、中止した説明会を改めて実施するとともに、住民投票をもって改めて市民、府民を意見を聞くべきではないでしょうか。
コロナ感染を配慮し、市役所内ではなく、東側玄関に用意された長机の上に署名を置くという、異例の提出となりました。
提出後、署名提出者や集まった市民からカジノ誘致の問題点を追及するメッセージがIR推進局局員に向けられました。

署名を提出後に行われた大阪府市IR推進局に向けた市民たちのアピール

中でも、此花区から来られた永井智大さんは、IRカジノ整備計画案の説明会が、夢洲の地元である此花区で1回も開かれないことに言及。大阪のまちづくりを言いながら、地元を軽視している行政に対する不信感を訴えていました。
こうしたこと一つをとっても、住民、市民の声に耳を貸さず、ただただ政治的な思惑による巨額な開発=ハコモノ行政を進めていることが明らかとなっています。
大阪府市は、一段としょぼくなったIRカジノ計画を破棄し、大阪に新しい産業を支援したり、医療や介護に対する予算をつけ、このパンデミック以降の新しい行政へと転換すべきであることを指摘しておきます。


記者会見資料

  1. 桜田照雄氏発言要旨
  2. 環境省 責任銀行原則の署名・取組みガイド
  3. 中野雅司氏発言要旨
  4. 藤永延代氏発言要旨
  5. 夢洲土壌関連資料

カジノに反対する団体懇談会

カジノ問題を考える大阪ネットワーク
あかん!カジノ女性アピール
どないする大阪の未来ネット
大阪を知り・考える市民の会
大阪カジノに反対する市民の会
市民のための行政を求める会
カジノに反対する大阪連絡会
STOPカジノ大阪
平和と民主主義をめざす全国交歓会

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