「企業倫理」が問われる「大阪 IR」出資に対する公開質問状

「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画(案)[概要版]から。
IR 事業者は「大阪 IR 株式会社」(予定)とされ、中核株主 2 社と関西地元企業を中心とする少数株主から構成される。大阪 IR は売上や収益の約 8 割を占めている。IR の実態はカジノ=ギャンブル=賭博と言ってよい。パブリック・コメントでも次のように指摘した。大阪 IR カジノの実態を承知のうえ、関西を中心とする地元企業は構成員に加わったのか。なかには電力・ガス・交通など「公益企業」も加わっているが、「公益」にギャンブルは馴染むのか。

2 日の記者会見で、夢洲懇談会の武田ゆかりさんが表題の公開質問状の結果を報告した。その概要を紹介したい。
SDGs では御承知のように、ネガティブ・スクリーニングの対象として、ギャンブル産業は、「武器・たばこ・アルコール・原子力発電・ポルノ」など「倫理的でないと定義される特定セクターの企業を投資先から除外する戦略」が位置づけられています。
SDGs 達成には、経済活動の中心を担う企業の対応が不可欠であり、投資に ESG の視点を組み入れることは、企業価値向上のためにも必須です。にもかかわらずネガティブ・スクリーンの対象である大阪 IR に出資することは、サステナビリティ、リスクマネジメントの視点からも ESG 投資の観点からも、世界の潮流と逆行し、御社の企業価値を損ないかねません。企業の社会的責任に鑑み、私たちは以下 5項目を御社に質問いたします。

1. IR カジノが、「誰一人取り残さない社会」を作る SDGs 達成に貢献するとお考えでしょうか。 (以下、略)
回答結果は次のとおり(企業名は簡略化)

◇回答なし(20 社中 8 社)
パナソニック ダイキン工業 大林組 サントリー 日本通運 大和ハウス工業
竹中工務店 丸一鋼管

◇「回答を差し控える」のみ回答(7 社)
大成建設 南海 レンゴー JTB 岩谷産業 三菱電機 京阪

◇IR へのコメントあり(5 社)
関西電力「IR を含むまちづくりは、関西経済全体の活性化に繋がると考えており、関西地域に根ざした企業として、自治体をはじめとする地域の皆さまや経済団体としっかりと連携を図り、実現に向け協力できることを検討していきたいと考えております」
そのほか、JR 西日本 大阪ガス NTT 西日本 近鉄(回答文は略)

(やまだあきらの定点観測 2022年2月6日)

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