『世界』3 月号特集 2「維新の政治」を読む

岩波書店の月刊誌『世界』は学生時代から読んできた。わが青春の頃は『世界』を持ち歩き、読むことで気分が高揚したものだ。そんな『世界』に大阪の人たちが注目している。特集「維新の政治」によるものだ。4 本掲載されているが、主タイトルだけ紹介しておこう。
・松本創「維新を勝たせる心理と論理」
・久保敬・名田正廣・斉加尚代「子どもがいて、地域があって、学校がある」
・平松邦夫「大阪と市民自治」
・三木義一「身を切る改革を実行したいなら」
紹介したいことは多いが、ここでは元大阪市長の平松邦夫さんの論稿を紹介したい。
歴史ある大阪市の行政のトップをつとめ、大阪・市民交流会の共同代表として活躍され、大阪に転居してから多くのことを学んできたからだ。大阪市廃止・特別区設置の是非を問う住民投票のときに、私もすこしだけ市民交流会の活動に参加し、平松さんのお世話
になった。多くの人に読んでもらいたい。
「大阪では維新の府政・市政が、10 年以上続いている。それはなぜなのか。そのもとで何が起きているのか。それを探り、私たちの取り組みの方向を考えるときには、住民のいのち・くらしを守るために自治体は何をすべきなのか、という原点に立ち戻るべき
だろう。そして、この出発点の共有さえできれば、維新を支持している市民とも対話は可能であるはずだ」
「市民との協働や自治ということを考えるとき、維新の政治スタイル―対立陣営を『敵』とみなし、全力で攻撃を加えていくという手法は、住民に深い分断をつくり出さざるをえない。互いの立場を尊重した上での冷静な討議や決定はきわめて困難になる。これが、維新が多数派となった大阪で起きていることにほかならない」
「やはり、原点に立ち戻るべきだと思う。住民のいのちと生活を守るために誠実に努力する政治をとりもどさなければいけない。新型コロナウイルスによって大阪で亡くなった方の多さは何を表しているのだろうか。人口当たりの死亡者数は大阪が東京を押さ
えて首位のままである。在宅のまま多くの方が亡くなった現実を、私たちはどう考えればいいのか。維新の政治がもたらしてきた荒廃のうち最たるものは、自治の意識を持ち、自分の住む地域を良くしたいと考え、行動し、参加しようという人たちを、諦めさせ、
分断し、孤立させていることだ。その人々の諦念と沈黙の上に立って、維新の政治家たちは得々と『改革』を語っている。私たちが何より為すべきことは、市民の力を信じ、互いに声をかけつづけることだろう。そして、維新に投票している人も含めて、この地
域の今と未来について語りあうこと、違いを超えてつながりあうことで、自治の力を取り戻すことだ。その力こそが、維新の『改革』の幻惑を取り除く源泉となるだろう」
(2022年2月14日)

関連ブログ

新着記事・番組

  1. 夢洲の圧密沈下による地盤沈下

  2. 3/25地方自治最悪の事例を追認した不当判決。

  3. 「住民の意思を聞け」。大阪カジノ誘致の賛否を問う住民投票を求める署名運動へ市民が立ち上がった。

  4. 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み 第2回 番外編 府と区都市の関係について再考

  5. 本渡章の「古地図でたどる大阪の歴史」~「区」150年の歩み 第2回 その2 西へ西へと流れた街のエネルギーと水都の原風景

  6. カジノ誘致問題キャンペーン03

  7. 大阪IRカジノ「区域整備計画」の問題点とカジノ反対署名70,000筆超の民意

  8. カジノ誘致問題キャンペーン02

新着ブログ

  1. 夢洲の地盤の圧密沈下問題

  2. 子どもがいて、地域があって、学校がある

  3. 大阪に欠けたるもの

  4. 『世界』3 月号特集 2「維新の政治」を読む

  5. IR 整備計画 市民の疑念放置できぬ