第 14 回 IR 推進会議を傍聴する

都合がつくかぎり、関心のあるテーマの会議を傍聴することにしている。オンラインや議事録では得られない「やり取り」などから、重要な情報が得られるからだ。
昨日 31 日 10 時から谷町のホテルで開催された IR 推進会議を傍聴した。昨年 3 月 1日に続いて 2 回目だ。早めに行って「1 番」だった。業者らしい人も傍聴に来ていた。議事は「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」(案)について。

まず事務局が概要版を 15 分で説明した。1 月 7 日の IR 説明会では 60 分近く説明して、質疑の時間が少なく、残念ながら発言できなかった。委員からの発言は腹が立つことも多かったが、大阪 IR カジノの問題点を探るうえで参考になった。印象に残った発言のいくつかを紹介したい。

・1 社しか応募しなかったこともあり、事業者撤退に向けて今から準備すべき。
・土壌問題など夢洲特有の課題があるが、コスト面だけでなく、中長期的には「投資」と考えるべきだ。リスクに見合うメリットを意識して計画を。
・IR 施設は防災拠点になる。ホテルなどを活用して防災拠点として位置づける。
・青少年の健全育成にとって、カジノ以外の施設の対策をどうするか。情報発信が大切。
・経済界からの委員からは、地域を代表する 20 社が推進体制に加わったことは評価できる。2029 年開業でも遅いのに、さらに 1~3 年も遅れると経済効果も望めなくなる。万博と IR の建設事業の調整が大切だ。
・委員長からは IR は大阪の成長に寄与でき、オール関西で観光などに力を入れていく。災害対策を重視したいなどと。

3 点だけコメントしておく。

事業者撤退に関する意見について。こうした意見が出てくることは、IR カジノの行方として示唆に富む。計画案でも財務状況が悪化した場合の措置など書かれているが、IR カジノに対して楽観的な見通しが目立つ。これに関連して、パブリックコメントでも指摘したが、大阪府・市が市民の要求を受けて事業から
撤退する場合の指摘が計画案にはない。「片務契約」ではないか。そのリスクについても明確にすべきである。

第 2 に、夢洲特有の課題について。夢洲の土地対策は「投資」だと言うが、そもそも夢洲は巨額のコストに見合う土地なのか。専門家も指摘するように、夢洲は IR 施設のような高層建築物などを想定していない埋立地である。当初から「夢洲ありき」で開発を進めており、議論が逆さになっている。

第 3 に、夢洲や IR 施設を防災拠点にすることについて。夢洲滞在者らの安全を確保するのは当然だが、夢洲という土地について理解したうえでの発言なのか。南海トラフ巨大地震などが来れば、真っ先に被害が想定されるのが夢洲だ。わざわざ夢洲のホテルに避難しに行くのか。夢洲の IR 施設が防災拠点になるとは、到底思えない。

(やまだあきらの定点観測 2022 年 2 月 1 日)

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