「大阪市立学校財産無償譲渡差止請求事件」第 4 回口頭弁論を傍聴する

昨日 28 日 11 時から大阪地方裁判所で行われた第 4 回口頭弁論を傍聴した。大法廷ではなかったが、運よく抽選に当たり傍聴できた。くじ運の悪いのが当たったので、裁判の判決にも期待したい。
法廷最前列で傍聴したが、最終準備書面の確認などだけ行われ、ほんの数分で終わった。せっかく傍聴したものの拍子抜けだった。これで結審となり、2 ヶ月後の 3 月 25 日 15 時から大法廷で判決が言いわたされる。
法廷のあと、弁護士会館 11 階で行われた報告会に参加した。弁護士の説明により、最終準備書面の内容などが分かった。大阪市立高校の財産を府に無償譲渡するのは、地方財政法などに違反するので、差止を求めるのが本裁判である。特別支援学校の府への無償移管では、議会の議決を取る方向だったが、政治的な動きにより条例で決定された。
この事例が今回も踏襲され、議決なしで無償譲渡されるかが争点の一つである。
弁護士が全国の事例を調べ、総務省にも問い合わせたが、議決なしというのは数少なく、被告・大阪市の主張に最終準備書面で問題を投げかけた。まずは、大阪市が議会の議決なしで、巨額の財産を府に無償譲渡することの違法性が問われる。
とともに地方財政法 27 条 1 項、28 条のニ、さらに地方自治法 232 条2、大阪市財産条例 16 条の違反に対して、裁判所がどう判断するかである。
裁判は 10 月 7 日に始まり、今日で 4 回目である。それにウェブ会議 3 回を入れると、短期間に 7 回の審理を重ねてきた。かなり密度の濃い審理だった。通常の裁判に比べてスピードが速いのは、差止請求という性格上、3 月末までに判決を出すという裁判長の姿勢による。この裁判長の姿勢は重要であり、それを判決につなげてもらいたい。
原告の一人から、移管される高校の測量がすでに実施されている。これは市営住宅の府移管の際にはなかったことだ。これは何を意味するか。大阪府が大阪市から移管された高校を廃校にして売却すれば、その代金が大阪府の収入になる。大阪市立高校の府への無償譲渡は、大阪市から大阪府に巨額の財産(不動産)を移し替えることが目的なのではないか。弁護士も本裁判の意義は、大阪市財政の「自治権」を取り返すことにあると強調した。
この裁判を毎回傍聴してきたのは、まさに大阪市の財政自治権が侵害されていること、大阪市が財政面から骨抜きにされつつある事態を許せないからだ。大阪市立高校を府に移管するのは遺憾である。大阪市の財産を議決もなく無償譲渡するのは、もっと遺憾である。一昨年の住民投票で大阪市は存続したが、カネとヒトの両面で大阪市から府への吸い上げが進んでいる。夢洲での万博・IR カジノ誘致の大阪市の財政負担膨張とともに、学校財産の府の横取りにストップをかけたい。

(やまだあきらの定点観測 2022 年 1 月 29 日)

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